汗をかく季節になると、Tシャツのしみ、黄ばみが洗濯を悩ませるところです。しみや黄ばみの原因となる汗、その成分ですが、エクリン線からでる汗(水溶性)、毛の根本部分の皮脂腺から出る皮脂、皮膚からはがれ出る角質層(たんぱく質)などが主だったものです。なかでも皮脂は洗濯だけでは落ちにくく、のこってしまうと酵素の働きで時間とともに酸化して黄ばみの原因となります。もちろん洗濯しないでそのままにしておいても黄ばんできます。
漂白剤には皮脂を分解する働きがあり、アルカリ性の漂白剤が酸性の皮脂を中和してきれいに落としてくれます。漂白剤にも種類があって、この場合はアルカリ性の(酸素系粉末漂白剤)を使用するとよいです。酸素系漂白剤には液状タイプもありますが、こちらは弱酸性なので、洗浄力は粉末タイプよりも落ちる変わりに、毛糸や絹製品でも使用できます。漂白剤以外だと料理や、薬などに使われる重曹があります。重曹はアルカリ性なので漂白剤と同じような効果が期待できます。
漂白剤はつけおきで使用するともっとも効果的です。まずはしみ・黄ばみ部分に漂白剤を塗りつけます。次に40度ぐらいのぬるま湯に少し濃いめに漂白剤を浸透させます。その中にシャツをいれ、1時間ほどつけておきます。最後に普通に洗濯をすればしみや黄ばみもかなりきれいに落とせます。温度設定ですが、皮脂は温度が高いと落ちやすい半面、たんぱく質が高温だと凝固して固まってしまうので、40度ぐらいが双方にとって丁度いい温度設定となります。
まれに、残った洗剤のアルカリ成分で衣類が黄ばむことがあります。クリーニングでは少し強めのアルカリ洗剤を使うことがあるので、アルカリ成分が残って洗濯黄ばみが発生することもあります。漂白剤を使う場合も注意が必要で通常はその後の洗浄できれいに流れ落ちますが、のこってしまうと黄ばみの原因になります。すすぎの際は、お酢を足すなどして中和させておくと確実です。
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