衣類についた汚れは、時間の経過とともに取れにくくなります。汚れは時間の経過とともに、「付着段階→吸着段階→粘着段階→染着段階」といった具合で素材との結びつきを強めていきます。それで時間が立てばたつほど落ちにくくなるというわけです。また時間の経過がしみの酸化を招き変色の原因にもなります。しみはその日のうちに対処するようにしましょう。
コーヒーやジュースなどの油分を含まない水性のしみがついたときには、まずしみのついた部分の下にタオルか布をひきます。次にブラシを水でぬらしてしみの上からトントンとたたいて、汚れを下の布に移し取っていきます。汚れがうつったら布をきれいな部分へとずらして、また移し取りを繰り返します。きれいに移し取ったらおしまいです。
水ではきれいに写し取れないという場合には、中性洗剤を溶かした水でやってみてください。ただし移し終わったあとは、そのまま乾燥させると中性洗剤の液がついたところの周囲の部分が、輪じみとして残ってしまいます。そこで液がついた周辺部を霧吹きなどでぼかし、両側を布ではさんで、水分をよくとってから乾燥させてください。
しみは大きく水性のものと、油性のものとに分けることができます。一度に両方のしみをつけた場合には、まずは油性のしみ取り対策から始めましょう。油性のしみ取り対策で水をつけてしまうと、油性の汚れと水が合わさって固まってしまうので、余計に取りにくくなってしまいます。
出先でしみがついたときには、応急処置としてしみがついた部分の下にティッシュをひきます。そしてハンカチをぬらしてしみのうえからトントンとたたき、ティッシュに移し取っていきます。そうしておけばかえってからの染み抜きがうんと楽になります。間違ってもしみがついた部分をこすったりしないようにしてください。汚れが周囲に広がりますし、繊維の奥の方にまで入り込んでしまい余計に取れにくくなってしまいます。
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